ドル売りが優勢、前日のパウエル議長発言で株高 ドル円は130円台後半=ロンドン為替概況

ドル売りが優勢、前日のパウエル議長発言で株高 ドル円は130円台後半=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。前日のNY市場後半のパウエル米FRB議長発言は、インフレ抑制姿勢や強い米雇用統計を受けたターミナルレート水準上昇の可能性が指摘されたが、市場では財(モノ)のセクターにディスインフレの兆候がみられるとの内容に飛びついていた。株式やドル相場は神経質に振れつつも、ドル安・株高で取引を終えた経緯があった。きょうのロンドン市場でも欧州株が買われ、市場は好ムードとなっている。為替市場では再びドルが軟調に推移し、ドル円は131円台前半から一時130.60付近まで下落。ユーロドルは1.07台前半から1.0761近辺まで買われた。ただ、いずれも前日NY市場でのドル安値水準には届かず。一方、ポンドドルは1.20台半ばから1.2110近辺まで買われ、前日高値を更新した。英国立経済社会研究所(NIESR)は、英国は2023年にテクニカル・リセッションを回避する可能性が高いとの見方を示しており、英中銀よりも楽観的な内容が示されていた。ユーロ円が140円台後半から半ばでやや上値重く推移する一方、ポンド円は158円付近から一時158.40台に高値を伸ばしている。対ユーロでもポンド買いが優勢だった。

 ドル円は130円台後半での取引。前日NY市場で132円台割れから130.50割れ水準まで下落。その後は131円台前半に落ち着いていた。東京市場では朝方に131円台割れとなったが、その後は131円台前半での揉み合いとなった。ロンドン時間に入ると米債利回りがやや低下する動きとともに131円台を再び割り込むと、130.60近辺まで安値を広げている。ただ、前日安値には届かず、比較的落ち着いた取引となっている。

 ユーロドルは1.07台半ばでの取引。前日NY市場では1.06台後半から一時1.0770付近まで上昇。その後は東京市場にかけて1.07台前半から半ばに落ち着いた経緯がある。ロンドン時間に入ると米債利回りの低下とともに買われ、一時1.0761近辺まで上昇。ただ、前日高値には届いていない。ユーロ円は141円付近で上値を抑えられると、140.50付近へとじり安。前日NY市場で下落した後のレンジ内にとどまっている。対ポンドではユーロ売りが優勢になっている。

 ポンドドルは1.21近辺での取引。前日NY市場で1.19台後半から1.21手前水準まで買われたあとは、1.2050付近に落ち着いた経緯がある。東京市場でも1.20台半ば付近でほぼ無風状態が続いた。ロンドン時間に入ると米債利回り低下とともに買われ、高値を1.2110近辺に更新。前日高値を上回っている。ポンド円は序盤に158.43近辺まで高値を伸ばしたあとは158円台前半で揉み合っている。ユーロポンドは0.8910台から0.8860台へと軟化。ポンド買いが優勢になっている。英国立経済社会研究所(NIESR)は、英国は2023年にテクニカル・リセッションを回避する可能性が高いとしたことが好感されたもよう。

minkabu PRESS編集部 松木秀明