ドル買い優勢、前日米FOMC議事録後の動き再燃=ロンドン為替概況

ドル買い優勢、前日米FOMC議事録後の動き再燃=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。前日の米FOMC議事録では大半のメンバーが25bp利上げに賛成したが、数名のメンバーが50bp利上げを支持したことが示されていた。ドル相場は上下動したあと、ドル高に振れた経緯がある。東京不在のアジア市場ではやや調整にドルが売られたが、ロンドン時間に入ると米債利回り上昇とともに再びドルが買われている。ユーロドルは1.0630付近が重くなると、1.06台割れへと下押し。ポンドドルは1.2070台から1.2010台へと下落。ドル円は134円台後半から135円乗せをうかがうジリ高の動き。欧州株や米株先物は反発の動きを示しているが、ドル円の上昇が鈍いことで、ユーロ円は142円台後半、ポンド円は162円台前半へと下押しされている。この日発表された1月ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+8.6%、コア前年比+5.3%と速報値から小幅に上方改定された。コア前年比は過去最高水準となった。マン英中銀委員は、さらなる引き締めが必要、転換点はすぐには訪れずと述べた。今年と来年のインフレ持続を懸念した。トルコ中銀は政策金利を50bp引き下げ8.50%とした。市場では100bp利下げ予想が多かったことで、ややリラ買いの動きがみられている。

 ドル円は135円付近での取引。前日NY市場で134.30台から135円付近まで買われたあと、東京勢不在のアジア市場では134.70付近まで調整売りが入った。ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともに再び買われ135円付近へとじり高の動きとなっている。ドル円の値動きの鈍さには、あすの植田氏の国会での政策説明を確認したいとのムードが広がっている面もあるようだ。

 ユーロドルは1.05台後半での取引。前日NY市場で1.0660付近から1.06ちょうど付近まで下落。その後のアジア市場では1.0630付近まで下げ渋った。ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともに再び軟化している。足元では安値を1.0586近辺まで広げている。ユーロ円は143.20台から一時142.76近辺まで下落。その後は143円付近までの戻りにとどまっている。対ポンドではユーロ買いの動きがやや優勢。1月ユーロ圏消費者物価指数・確報値はコア前年比が+5.3%と過去最高水準となった。

 ポンドドルは1.20台前半での取引。前日NY市場で1.21台前半から1.2030台まで下落。その後のアジア市場では1.2075近辺まで反発した。ロンドン時間に入るとユーロドルとともに売りが再燃し、安値を1.2014近辺まで広げている。ポンド円は162.70台で上値を抑えられると、162.06近辺まで安値を広げた。その後は162.50手前までの下げ渋りにとどまっている。ユーロポンドは0.88台割れとなったあとは0.8817近辺まで一時買われた。ややポンド売りが優勢。マン英中銀委員は、インフレの長期化を警戒するとともに、すぐに追加利上げが必要となた。ただ、同委員はかなりのタカ派として知られており、ポンド買い反応は限定的だった。

minkabu PRESS編集部 松木秀明