ドル買い優勢も調整の範疇、パウエルFRB議長の議会証言を控えて=ロンドン為替概況

ドル買い優勢も調整の範疇、パウエルFRB議長の議会証言を控えて=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル買いの動きが優勢。前日海外市場ではドル売りが優勢だったが、このあとのパウエルFRB議長の議会証言を控えて買戻しの動きがでている。ドル円は136円付近から135.50台で下に往って来い。ユーロドルは1.07手前から1.0650台へと下押し。ポンドドルは1.20台後半へと買い先行も、売りに転じて1.20付近へと下押しされている。ユーロ円は145円台前半から144円台後半へと軟化もその後は下げ渋り。ポンド円は163円台後半から163円台前半へと軟化し、戻りは鈍い。ポンド相場は序盤に英住宅価格指標の上振れで買われたが、その後はマン英中銀委員が米金融当局のタカ派度の織り込み次第ではポンドが下落する可能性が指摘されて売られていた。ECB消費者インフレ期待では3年後の予測が2.5%と前回の3%から大幅に低下していた。米10年債利回りは3.97%台から3.92%台へと低下しており、前日の動きの調整となっている。ロンドン時間にはドル相場と米債利回りの連動性は薄い。欧州株や米株先物・時間外取引は小幅高での揉み合い。イベントを控えて、各市場とも別個の動きとなっている。

ドル円は136円付近での取引。136円付近から一時135.55近辺まで下押しされる場面があったが、足元では136円近辺へと買い戻されており、下に往って来いとなっている。欧州株や米株先物・時間外取引は小幅高での揉み合いが続いており、パウエルFRB議長の議会証言待ちとなっている。米10年債利回りは3.97%台から3.92%台へと低下しているが、前日NY市場での上昇に調整が入る程度の動き。

 ユーロドルは1.06台後半での取引。1.0695近辺まで買われる場面があったが、1.07台には届かず反落している。足元では1.0654近辺に安値を広げた。前日NY市場での上昇に調整が入っている。ECB消費者インフレ期待調査では、12カ月後のインフレ期待は4.9%と前回の5.0%から小幅に低下も、3年後のインフレ期待については2.5%と前回の3%から大幅に低下していた。ユーロ円は東京午後につけた145.44近辺の高値からロンドン序盤には144.60近辺まで下押しされた。しかし、その後は145円付近に下げ渋っている。対ポンドではユーロ売りが先行したが、すぐに買戻しが入り、売買交錯も足元ではユーロ買いがやや優勢。

 ポンドドルは1.20付近での取引。取引序盤に1.2065近辺まで買われた。英住宅価格指標が予想外の大幅上昇となったことに反応していた。しかし、次第に売りに押されている。マン英中銀委員が、「米欧金融当局がタカ派トーンを強めており、特に米金融当局のタカ派姿勢の織り込み度合いによってはポンド相場が一段と下落する可能性がある」と指摘したことがポンド売りにつながったようだ。ポンドドルは1.1998レベルまで安値を広げている。ポンド円は163.87近辺を高値にロンドン序盤には売りが強まった。一時163.02近辺まで安値を広げている。その後の反発は鈍く、163円台前半にとどまっている。ユーロポンドは0.8857近辺まで下落したあとは0.8880台へと買われている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明